TFCC損傷 三角線維軟骨複合体(TFCC)は尺側の手根骨と尺骨頭の間に介在する線維軟骨と靭帯からなる遠位撓尺関節の支持機構である。手関節背屈で回内力が加わった状態、手をついて転ぶような動作でTFCCに損傷が発症しやすい。 外傷断裂をType1、変性断裂をType2とする。 Type1断裂では、 手関節尺骨側部の痛み、手関節伸展、尺屈、回旋時などに疼痛や有痛性の引っかかり感を訴える事が多い。遠位撓尺関節の不安定性、握力低下を有することもある。 【治療方針】 保存療法:急性例では3ヶ月間は保存療法を行う。手関節スプリントで固定し、局所安静を保つ。手関節内にステロイド注射を行う事もある。 手術治療:保存治療でも症状が軽快しない場合は手術治療の適応となる。 Type1B〜D:辺縁部の損傷であるため、原則的に修復を行う。 平成17年度スポーツ安全保険の概要によると、スポーツ障害は13万2485件でそのうち手関節の障害は7,770件である。これは、肩関節や肘関節よりも障害件数が多い事から、スポーツにおける手関節の障害は珍しいことではない。 問診… @痛みの有無 Aどのような動作で痛むか Bいつ痛んで、どのような練習をやってきたか C競技内容や今後のスケジュール 視診… 変形、出血、傷、腫脹、発赤に十分注意する。 明らかな変形がある場合には骨折や脱臼を念頭におき、腫脹がある場合には靭帯や筋肉の損傷を念頭におく。 |